永住者の要件とは?

在留資格の中でも「最強の資格」と言われているのが、「永住許可」です。

なぜなら、永住許可を取得すると、在留期限の更新はなく(カード自体の更新は7年ごと。子供の場合は、16歳の誕生日までです。カードの更新をしないと失効してしまいます)、仕事をするのも自由で活動内容に制限がないからです。

では、どのような外国人が永住許可の申請ができるのでしょうか。

以下、出入国在留管理庁が掲載しているガイドラインにそって説明していきます。

各種要件とは・・・

①素行が善良であること・・・「法令を遵守し日常生活においても住民として社会的に非難されることのない生活を営んでいること」

これは、日本社会の法律・ルールを守って、風紀を乱すことなく生活していること、ということです。日本の法律に違反し、懲役・禁固・罰金に処さられたことのある人は「素行善良要件」に該当していないとみなされます。

②独立の生計を営むに足りる資産又は能力を有すること・・・「日常生活において公共の負担にならず、その有する資産又は技能等から見て将来において安定した生活が見込まれること」

これは、生活保護などを受けることなく自活することが可能であることを意味しています。

年収としては大体300万円以上が望ましく、申請者本人のみではなく世帯単位としてみた場合に安定した生活を送ることができていれば良いとされます。一人家族が増えると、プラス60~70万円くらいが望ましいです。

例外はありますが、通常は直近5年間の生活の状況で判断されます。

③その者の永住が日本国の利益に合すると認められること・・・

「ア・原則として引き続き10年以上本邦に在留していること。ただし、この期間のうち、就労資格(技能実習・特定技能1号を除く)又は居住資格をもって引き続き5年以上在留していること。」

これは、引き続き日本に滞在していることが必要なので日本を長期間(連続して3か月以上)出国してしまうと条件に当てはまらなくなります。10年間のうち直近5年間は就労系か身分系の資格での在留となりますが、それぞれの合算でも良いです。

(具体例:技術・人文知識・国際業務4年+日本人の配偶者等1年、など)

「イ・罰金刑や懲役刑を受けていないこと。公的義務(納税・公的年金及び公的医療保険の保険料の納付並びに出入国管理及び難民認定法に定める届出等の義務)を適正に履行していること。」

これは、犯罪や違法行為がない、税金などの未納がないことが条件となっています。家族の分の税金納付状況も該当してきます。適正に履行するということは、納付期限が守られていることも含まれるので、未納が発覚し後から追納した場合であっても厳しく指摘されてしまいます。

「ウ・現に有している在留資格について、出入国管理及び難民認定法施工規則別表第二に規定されている最長の在留期間をもって在留していること」

これは、それぞれの在留資格において一番長い期間の許可を受けていることが条件となっていますが、当面の間は、在留資格「3年」で良いとなっています。

「エ・公衆衛生上の観点から有害となるおそれがないこと」

これは、感染病などにかかっていないか、などです。

例外として、日本人、永住者又は特別永住者の配偶者又は子である場合には、③のみ適合していればよく、難民認定の方は①と③に適合していればよいです。

原則10年在留に関する特例

基本的には日本に継続して10年間在留していることが要件となっていますが、特別にもっと短い期間でもよいとされている例もあります。

①日本人、永住者及び特別永住者の配偶者の場合、実態を伴った婚姻生活が3年以上継続し、かつ、引き続き1年以上本邦に在留していること。その実子等の場合は1年以上本邦に継続して在留していること。

→これは、上記資格者の配偶者の場合には、まず、3年以上の婚姻生活(同居など)、これは生活拠点が海外でも構いません。そして、1年間は日本に在留していることが条件となります。日本で婚姻生活を3年間送ることで、最短の3年間で、永住許可申請をすることができます。

②定住者の在留資格で5年以上継続して本邦に在留していること

③難民の認定を受けた者の場合、認定後5年以上継続して本邦に在留していること

④外交・社会・経済・文化等に分野において我が国への貢献があると認められる者で、5年以上本邦に在留していること

⑤「高度専門職省令」に規定するポイント計算で70点以上有している者であって、次のいずれかに該当するもの

・「高度人材外国人」として3年以上継続して本邦に在留していること

・3年以上継続して本邦に在留している者で、永住許可申請日から3年前の時点を基準として高度専門職省令に規定するポイント計算を行った場合に70点以上の点数を有していたことが認められること

⑥「高度専門職省令」に規定するポイント計算で80点以上を有している者であって、次のいずれかに該当する者

・「高度人材外国人」として1年以上継続して本邦に在留していること

・1年以上継続して本邦に在留している者で、永住許可申請日から1年前の時点を基準として高度専門職省令に規定するポイント計算を行った場合に80点以上の点数を有していたことが認められること

永住許可申請中の特例期間適用なし!

通常の在留資格変更許可申請・更新許可申請は、特例期間というものがあります。

これは、申請を行った場合に、当該申請に係る処分が在留期間の満了の日までにされないときは、当該処分がされる時又は在留期間の満了の日から二か月が経過する日が終了する時のいずれか早い方まで、引き続き現に有する在留資格で在留することができる制度です。

この特例期間の制度が、永住許可申請には設けられていません。

申請受付の際に、在留期間の期限が訪れてしまいそうな場合には、まずは在留期間更新申請をすることになる可能性があります。永住許可の申請中に期限が切れてしまわないように、注意しましょう。

永住許可申請についてお悩みの方は、こちらまでご連絡ください!