特定技能とは
平成31年に「特定技能」制度が創設されました。
特定技能1号で在留外国人は、年々増加しており、令和5年8月時点では約18万人となりました。
特定技能ビザの目的は、深刻化する人手不足への対応として、生産性の向上や国内人材の確保のための取組を行ってもなお人材を確保することが困難な状況にある産業上の分野に限り、一定の専門性・技能を有し即戦力となる外国人を受け入れるためです。(出入国在留管理庁HPより)
特定技能には「1号」と「2号」があります。
1号 | 特定産業分野に属する相当程度の知識又は経験を必要とする技能を要する業務に従事する外国人を対象とした在留資格 |
2号 | 特定産業分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する外国人を対象にした在留資格 |
1号と2号の具体的比較
1号 | 2号 | |
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在留期間 | 1年を超えない範囲内で法務大臣が個々の外国人について指定する期間ごとの更新(上限5年) | 3年、1年又は6か月ごとの更新 |
技能水準 | 試験等で確認(技能実習2号を修了した外国人は免除) | 試験等で確認 |
日本語能力水準 | 生活や業務に必要な日本語能力を試験等で確認(同上) | 試験不要 |
家族の帯同 | 基本的には認めない | 要件を満たせば、配偶者・子は可能 |
支援 | 受け入れ機関又は登録支援機関による支援の対象 | 受け入れ機関又は登録支援機関による支援の対象外 |
2号の特徴としては、家族も一緒に日本に滞在できること、また在留期間の更新が可能なので、いずれ永住申請が目指せる在留資格と言えます。
1号の外国人が永住を目指すのであれば、2号への移行が必要となります。2号になるには、分野の2号の技能試験に合格する必要があります。(2号は、令和5年8月現在で17名)
特定技能の職種
どの業種でも受け入れられるわけではなく、特定産業分野に指定されている産業のみが特定技能の外国人を受け入れることができます。その分野は12分野に分かれています。
介護 | ビルクリーニング | 素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業 |
建設 | 船舶・船用工業 | 自動車整備 |
航空 | 農業 | 漁業 |
飲食料品製造業 | 飲食料品製造業 | 外食業 |
・特定技能での転職も可能ですが、職種と分野(業務区分)までが一致していないといけません。会社が変わるときは、在留資格変更申請の手続きをします。
受入れ機関について
受入れ機関(就労先)は下記の要件を満たしている必要があります。
①外国人と適切な内容の雇用契約を結んでいること。報酬は日本人と同等以上でないといけません。
②受入れ機関が法令順守をしていること。5年以内に、出入国法・労働法令違反などをしていないこと。
③外国人が理解できる言語を話せる人がいるなど支援する体制を持っている。
④外国人が日本の生活に慣れるようなオリエンテーションを行うなど、外国人の生活を支援する計画がある。
※受入れ機関に対する支援義務は、「特定技能1号」のみです。
届出について
受入れ機関は、出入国在留管理庁長官に対し、各種届出を随時又は定期的に行わなくてはなりません。
随時の届け出
・特定技能雇用契約の変更、終了、新たな契約の締結に関する届出
・支援計画の変更に関する届出
・登録支援機関との支援委託契約の締結、変更、終了に関する届出
・特定技能外国人の受け入れ困難時の届出
・出入国又は労働関係法令に関する不正行為等を知ったときの届出
定期の届出
・特定技能外国人の受け入れ状況に関する届出
・支援計画の実施状況に関する届出
・特定技能外国人の活動状況に関する届出
外国人本人の要件
特定技能には、「技能実習2号を良好に修了した外国人」と「技能と日本語の試験に合格した留学生などの外国人」がなることができます。日本にすでに在留している場合と、海外から呼び寄せる場合でも可能です。
・18歳以上であること
・技能試験及び日本語試験に合格していること(技能実習2号を良好に修了した外国人は免除)
・特定技能1号で通算5年以上在留していないこと
・補償金を徴収されていないこと又は違約金を定める契約を締結していないこと
・自らが負担する費用がある場合、内容を十分に理解していること
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